小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

こころのこえ 探偵奇談13

INDEX|39ページ/53ページ|

次のページ前のページ
 

痛みは見えない聞こえない



莉子の家をあとにした瑞は、伊吹の家へ向かう。あの後、すぐに伊吹から連絡が入ったのだ。
以前訪れたことのある伊吹の家は、バス停から歩いてすぐだった。チャイムを鳴らすと伊吹が出てきて、怪我したのかと驚かれる。

「大丈夫です」

頬の傷は大したこともなく、莉子に大きな絆創膏を貼ってもらった。右の上腕はシップを貼ってある。郁が水と保冷剤でしっかり冷却してくれたおかげか、またじんわりとした痛みが残っているが、動かすと痛み程度で済んだことは幸いだった。

それでも事情を聴いた伊吹はだいぶ肝を冷やしたようだった。腕を見せろと怖い顔で言われ、包帯をきつく巻かれる。リビングには颯馬もおり、手当を受けながら莉子の家で起こったことを話す瑞を、じっと見つめていた。

「それで莉子ちゃんと一之瀬は?」
「帰しました。二人ともとりあえず落ち着いたので…」

取り乱していた郁のことを考える。家まで送るときにはもういつもの郁だった。しかし大泣きしたことが恥ずかしかったのか、瑞にたいしてはばつの悪そうな雰囲気であったが。

「それで、幽霊はいたのか?」

伊吹に問われ、瑞は首を振る。そんな気配は感じなかった。

「だとしたら、原因はやっぱ莉子ちゃんでしょ」

颯馬が口を開く。

「ポルターガイストの原因は、抑圧された人間のストレスによるもの。念力というのか、そういったものが起こしていたという事例が多くあるんだって」

その可能性に思い当たった颯馬と伊吹は、映画同好会の斎藤のものに出向き、ずばりその質問をしてみたのだという。様々な映画を数多く見続けている彼は、そのようなテーマを題材にしたものも観たことがあるようで、詳しい話をしてくれた。