こころのこえ 探偵奇談13
無意識?
「人間が無意識に、机や皿をフッ飛ばすってことか?」
「抑圧された人間のストレスみたいなものが、見えない力になって開放されるっていうのかな。確かそんな話でしたけど。超能力的な」
そんなことは初耳だった。怪奇現象の原因が、人間だって?
考え込む伊吹に気づき、颯馬が訝し気に尋ねてくる。
「…郁ちゃんたち、どんなイワクつき物件のポルターガイストを調べてるんですか?」
「…いわくなんてない。ふつうの民家。小さい女の子のいるうちの」
ごく普通の、ごく一般的な家庭。
颯馬はふうんと呟き考え込んでいたが、やがて放った言葉で伊吹を驚愕させる。
「それは幽霊じゃなく、原因は家族にあるのかも」
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作品名:こころのこえ 探偵奇談13 作家名:ひなた眞白