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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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こころのこえ 探偵奇談13

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瑞が笑う。

「そっか…よかった…うん、よかったね」
「ごめんな、心配かけて」
「いいんだ。大丈夫って須丸くんが言うなら」
「ん。ありがと」

詳しいことはわからなくていい。こうしてまた、一緒に学校生活を送れるなら。そばで、見ていられるなら。


「瑞」


戸口に、二年生の神末伊吹(こうずえいぶき)が立っている。

「あ、伊吹先輩だ。ご無沙汰してます」
「おう。元気そうだな。今日昼休み、生徒会室で冬合宿の打ち合わせだから出て」
「はい」

この二人は弓道部の二本柱だ。エースで副将の瑞と、信頼の厚い主将である伊吹。当初は気が合うような合わないような二人だったが、今ではナイスコンビなのだ。

「先輩八つ橋食べません?」
「チョコ味!?ソーダ味!?すげえ!」
「八つ橋めっちゃ進化とげてました」

何だか楽しそうな二人だ。

(伊吹先輩、瑞、って呼んでた…)

何があったかはわからないけれど、瑞が大丈夫というのなら。あんなに優しい顔で言うのだから、心配はないのだろう。心なしか、瑞と会話する伊吹の表情も柔らかい。

(…おかえりなさい)

改めて、心の中でそう呼びかける。幸せな気持ちを噛みしめながら。




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