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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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こころのこえ 探偵奇談13

INDEX|27ページ/53ページ|

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それを聞いてほっとする。しかし母の顔が浮かび、慌てて郁は付け加える。

「あ、えっとね、その友だちのこと、お母さんたちには秘密ね」
「秘密?」
「うん、秘密のお友だちだから…ね、」

我ながら無理があるなあと莉子に申し訳なく思う。しかし莉子は、くすっと笑って頷いた。

「秘密のお友だちね、わかった!」

早速瑞に連絡をとると、もう近所の公園まで来ているという。郁とともにその公園へ向かうと、東屋の下のベンチに瑞が座っているのが見えた。黒いマフラーで顔の下半分を覆っている。寒がりの彼は、ここのところ着ぶくれしていてなんだかかわいらしかった。

「須丸くん、ごめんね。ありがとう」
「ん。この子が、莉子ちゃん?」

莉子が郁の手を握る指先に力を込めた。目を丸くして瑞を見上げている。見惚れているのかもしれない。瑞は、じっと少女に視線を注いでいる。ぴんと張りつめた緊張感に、郁は不安になってきた。そのとき。

「……エックショ!」

唐突に盛大なくしゃみをかます瑞。その間抜けな声に、莉子がぶぶっと吹きだした。緊張感が一気に緩み、郁も笑った。

「ごめん、寒くて」

瑞が鼻をすする。

「あたし、何かあったかいもの買ってくるね」

二人を残し、郁は自販機へ向かった。

(くしゃみかわいい。ちっちゃい子みたい)

笑みが零れる。





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