こころのこえ 探偵奇談13
そのほうが、郁の変化についてしっくりくる。綺麗になった。
「は?誰がよ」
「え、一之瀬…」
「ふーん」
青葉は興味なさそうに返してから、窓際で話している郁の方に視線をやる。
「郁ちゃんは確かに綺麗になったと思うよ。恋してんだね」
誰かを好きになって、どんどんきれいになっていく。そんな嘘みたいな本当の話。
女の子というのは、幽霊や神様と同じくらい未知で、瑞からしたら不可思議な存在だ。
チャイムがなって授業が始まる。雪は降り続いていた。
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作品名:こころのこえ 探偵奇談13 作家名:ひなた眞白