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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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こころのこえ 探偵奇談13

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などと一人で悶々していると、その郁がこちらへ向かってきた。まるで考えていたことが伝わってしまったかのようなタイミング。瑞は一瞬ぎくりとした。

「須丸くん、昨日連絡ありがとう、朝練休みになるって」
「ああ、うん。このまま降り続いたら放課後も休みになるかもって伊吹先輩が言ってた」
「結構降ったもんね、雪」

郁がそう言って笑う。嫌われたわけではないのか、と瑞は小さく安堵する。

(あ、そうか…一之瀬が、なんだか大人っぽくなったんだ)

髪が伸びたせいもあるだろう。夏の頃は子どもみたいに一緒にはしゃいだり喋ったり、鋭いつっこみを入れ合ったりしていたけれど、いつからか彼女は物静かというのか、落ち着いた態度で瑞と接するようになった。

(なんでだろう…)

宮川主将に恋をしていたときの、あのはしゃぎっぷりが懐かしくなる。いまは別の誰かを好きだというのだが、それが関係しているのだろうか。

「あのね、今日の放課後、部活が休みなら、相談に乗ってほしいことがあるんだ。いいかな?」

視線を落としていた郁が、瑞に問う。

「うん、勿論」
「あ、ありがとう。ちょっと、迷惑な話かもしれないんだけど…」

深刻そうな彼女の様子に、瑞は眉をひそめる」。

「何か、言いにくいこと?伊吹先輩にも来てもらうか?」
「うん!そうしてもらえるとすっごい助かる!」

困ったときの伊吹先輩、なんていえば伊吹は怒るだろうけど、自分や郁にとって、伊吹の存在は大きい。なんだかんだ、事件のときはいつも一緒だった。