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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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そぞろゆく夜叉 探偵奇談11 後編

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「ええ…わたしが話したのは……潤子さんだけです」

郁らがここにいることを知るのは、潤子と志帆だけだ。

「颯馬さんと、その先輩が来る、とだけ伝えました。お名前と一緒に…」

一つのヒトガタには伊吹の名が、もう一つのヒトガタには真司郎の名が書かれていた。そしてその隣に、バラバラに砕けたヒトガタの破片が落ちている。瑞がパズルをするように組み合わせたところ、どうやら「あまたにそうま」と読める。

「おい、おまえのもあるぞ颯馬」
「ほんとだー。でもまあ、俺の守護が強すぎて砕けちゃったんだろうね!アハハッ」

恐るべし、沓薙四柱の加護!ヒトガタの呪いを跳ね返したということか。

「赤木潤子さんだ。あのひとしか、これを作れない」

伊吹が言い放つ。

「呪いの元凶を探るために調査に来る、俺と颯馬の名前をあらかじめ伝えてたのは間違いない?」
「は、はい…」
「だから俺のところにも、あの女がやってきたんだ。邪魔者だから。長男を殺す邪魔をすると思ったから」

この一族を呪っているのは、赤木潤子…?

「そんな!潤子さんがこんなこと!」
「彼女しかいない。しかしこれは彼女の意思ではない」

瑞は言い放つ。