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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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そぞろゆく夜叉 探偵奇談11 後編

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伊吹の口からは同じ言葉が繰り返される。きられた、うしろからきられた…。声は徐々にか細くなり、小さくなっていく。死んでしまう…。

「誰があなたをそんな目に合わせたの?」

瑞が屈みこんで伊吹の口元に耳をあてて尋ねる。
しかし、そのまま伊吹は動かなくなった。声は消え失せ、背中を押さえていた伊吹の腕が力なく布団の上に落ちた。

「先輩!」

瑞の呼びかけに、伊吹は目をあける。彼は一度大きく息を吐き出すと、手を伸ばした。

「見せたがっている…」
「なに?」
「あの女が…知ってほしいって…俺は見た…おまえにも…」

差し出された手を、瑞が握る。

「殺された……火の海の中で……」


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