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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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そぞろゆく夜叉 探偵奇談11 前編

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「いつか」の子ども時代。大人たちに守られ、何も怖いことなどなかった子どもの自分。そう、怖いものなどなかった。この、真夏でもひんやりと冷たい手の持ち主と、心を交わすまでは。別れが来ることを、想像すらしていなかった頃までは。

「なあ伊吹、その家、ちょっと怖いからな」

手を繋いで歩いていた瑞が、歩みをとめてそう言った。

その家…?

「気をつけろよ。俺はもう、ここからじゃ護ってやれないから」
「え?」




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