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di;vine+sin;fonia デヴァイン・シンフォニア

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 目を丸くするメイシアをよそに、扉が小さな機械音を立ててスライドし、道が開かれる。
「さあ、どうぞお入りください」
 執事が部屋に入り、にこやかにメイシアを招いた。
 立ちすくむメイシアの手をミンウェイがそっと引く。メイシアは、はっとして背筋を伸ばした。中からこちらを窺う執事に向かって頭を下げ、礼を述べた。
「案内、どうもありがとうございました」
 言いながら違和感を覚えたが、今はのろのろとしている場合ではない。メイシアは前のめりになりながら部屋に入り、ミンウェイも続いた。
 すぐに背後で扉が閉まり、かすかな施錠の音が聞こえる。
「ようこそ」
 若々しいテノールがメイシアを迎えた。
 部屋の奥に大きな執務机。声の主は机に両肘をつき、組んだ両手に顎を載せていた。
「俺は鷹刀イーレオの末子、鷹刀ルイフォン。親父は六十五歳という高齢なんで、接客は体に障る。というわけで、俺が代わりに話を聞くことになった」
 獲物を前にした猫のように彼は嗤った。端整といってよい顔立ちは、その表情によって台無しになっていた。
 クッションのきいた椅子を軋ませ、彼は立ち上がる。
 やや猫背気味。髪は後ろで一本に編んでいて、先を青い飾り紐で留めていた。その中央には金色の鈴。
 どこか特徴のある動きをしながら彼はメイシアに近づき、右手を出した。
 その骨格は決してひ弱ではないけれども、どう見ても少年の域を出ない――メイシアと同年代のそれであった。