小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

あの日、雨に消えた背 探偵奇談10

INDEX|10ページ/14ページ|

次のページ前のページ
 

水鏡の裏側



あたりは雨で煙り、視界があっという間に白くなっている。

「俺のせいで先輩苦しいんだ。ずっと」

雨に濡れて立ち尽くす伊吹を見て、瑞は泣きたい気持ちになった。かつて彼を「振り回した」という自分。瑞の願いのためだけに、何度も生まれ来る。出所のわからぬ罪悪感を抱えて…。

「でも俺、許されなくてもここにいたいです」

伊吹を雨に濡らして、後悔させてきた自分の運命。繰り返し振り回して、いまも冷たい思いをさせて。だけど。

「先輩にどんな理由があっても」

いつか、正される日が来ても。

「いいんだよそれで!」

伊吹がそう吠えて、苦しそうな表情を浮かべている。

「俺だって、黙って背中を見送るなんて二度とごめんだ!」

このひとも悔いているのだ。見送ってしまったことを。


「ねえ、許されない命なんてないよ?」