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夢風船(詩集)

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五月病というのがあるらしい
新入生 新入社員が罹るとか
疲れと弛みの複合病だろうか

今年は
昭和天皇の誕生日から
5月8日の日曜日まで
10連休なんて
組もあるらしい

これにも
消費拡大の狙いが
秘められている
というから
経済優先なのだ
そんな手に乗らないで
ゆっくりしようか

海外旅行に出かけたいと
悩む家族もいるだろう

戦争にかり出されないのが
幸福ということか


   
   メーデー
今日はメーデーなのだが
忘れられたように
ジャーナリストも
静かになった
高度成長期は
働くものに元気が
あったのだが

といっても
メーデーは
組織労働者の祭典で
零細労働者は
お呼びがなかった

だからいまどき
メーデーが静かでも
一般の人は
なんとも思わない

メーデーよりも
働き口がないので
日本逃避も
若者の選択に
なっている

リストラで
働くものを痛めつけた
経営者に
「天に唾の」
戻りがある

ニートがはびこる
温床は
働く機会と気分を
剥奪した
雇用と教育にある



   女たちの午後
母と娘らしい
コーヒー店の
カウンターに掛ける
顔は似ているのだが
若さの違いが
そのしるし

二人の若い女性が
先ほどから
しゃべり続けている
並んで掛けて

春四月の始め
人出が多い
それにしても
女性ばかりの午後

服飾雑貨の店には
蝶のように
女性が寄ってくる


   
   希望
これから何をやるかって
たずねてくれたその人に 
今日は船出の良き日だと
胸を張って言っていた
若者の顔が輝いて
遠くの海を眺めている

そうよ あなたの命は
これから燃え出して
遠い遠い地球の果てに
船出するのよね
未来の時間を刻む
銀河の光に誘われて

そうだ 僕は未来の星だ
地球の海を乗り越えて
いつしか銀河にたどり着く
悠久の命を信じている
 

    
   やすらぎ
人は皆 やすらぎを求めて
生きている
忙しいのは何故なのか

その日の糧を稼ぐために
あくせくと働くのが
人の世の定めなのだと
その体で知っているのだ

働くことは人のためになると
だから稼ぎが生まれるのだと
職業を持ちたがっている

職のない世界では
休みがたくさんにあるが
やすらぎはないだろう
稼ぎが生まれないからだ

人は皆 やすらぎを求めて
稼いでいる
所得がなければ
やすらぎもないからだ



  命は永遠という信仰
はるばると人生を思う
ことは
生きている証なのだから
誰も止めはしない

命ある限り
人生を思うことは
絶えざる悩みの星が
きらめいているから
だろう

命は絶えず生まれ変わり
体の新陳代謝を
つかさどっている
主のようなものだろう

命の宿が体であれば
死によって滅ぶはずだが
命は体を離脱して
天に帰ると信じられている

命は永遠だということが
人間に
死者を祭る習慣を
さまざまなかたちで



 若き尼僧
幽玄の世界があるという
金色の仏像を前にして
語る
尼僧はまだつややかな
顔で
悟りを開いているのだろう

人の心は日々の暮らしの中で
忘れている
そういう世界があるという
真実を

暮らしを忘れる時間を持って
己を
振り返ることだと教えている
尼僧に
荘厳の光が射しているようだと
感じる

心安らかに生きることを願うならば
幽玄の世界に
心を置くべきだろうと悟らせる
尼僧は
若木のようにみずみずしい



  いのちと女
女が歩く
さまざまなスタイルで
天地を恐れない花のように
咲くことに
競い合っている

灼熱の太陽が照りつけるときも
月光が静かに天から降るときも
女は
その輝きを誇示するように
咲いている

永遠の生命が宿っている
地球
そのなかで最高のものは

新しい生命を産み出すのだから
 

 
   ファッション
ファッションが
世の流れを創るのか
世が
ファッションを創る
心なのか

イスラムの思想は

人たることの輝きを
隠す

キリストの思想は

人たることの輝きを
誇示する

衣装は
思想をまとっている


第四部 環境
   
   外来種
琵琶湖にて
外来種を駆除するというが
地球規模で
外来種は貿易されている

偏狭な共和国で
民族浄化が行われたが
世界は
異民族協和が
繁栄をもたらしている

国連で
世界の民族が
共存の道をさぐっている

日本人は
固有の文化というけれど
渡来人が
日本の文化を築いたとも言う

現在の世界は
アメリカ文化を自分のものに
しようとしている

自由競争の市場経済と
政治プロセスの民主主義が
世界に水のように浸透し
生存の共通項となるだろう

好悪は別にして
人類は混血種が繁殖し
価値観の平準化が進むだろう



   アメリカさん
何をやってんのよ
アメリカさん
マグロ漁船の放射能汚染の
調査を中止する
プレッシャーをかけたんだって
日本の悲劇だったよね

何をやってんのよ
アメリカさん
枯葉剤を撒いて
先天性奇形児を
造ったんだって
ベトナムの悲劇だったよね

何をやってんだよ
アメリカさん
グアンタナモとイラクで
捕虜を虐待したんだって
イスラム教徒の悲劇だったよね

何をやってんだよ
アメリカさん
世界中に軍事基地をもって
民主主義を
世界に広めるんだって
ローマ帝国の悲劇を思い出すね

原爆を落とされた
日本人の願いは
戦争をしないことなんだよね



  嵐は大陸から来る
この道を行けば
何処まで行けるのか
わからないが
行くしかない

分かれ道があったのだが
それを無視して
まっすぐにやってきたら
大きく右に傾斜している

東シナ海と日本海の風が
激しくなって
太平洋に押し流される
風圧に耐えている

太平洋の風が
姿勢をまっすぐに
立て直してくれると
いいのだが
熱帯性低気圧の
うっとうしい雨に
襲われる季節でもある

台風シーズンが
列島を縦断すれば
重い雰囲気に包まれ
暗くなるだろう

いまのうちに対策を
立てねばならないが
毎年
後手にまわっている



   気象異変
空梅雨と大雨が
局地的に広がっている
梅雨前線の異常な接近

水不足の西日本と
豪雨の新潟地方に
わかれている

どうしてこういうことにと
気象の
イタヅラに弱っている

地球を囲む環境に
疑問を持って
改めて知るのは
人間のよわさ

自然とともに生きる
なんて
言っていられるのは
自然が
怖くないからだろう

人間が地球環境を
破壊している
その報いがやってきている

気象異変も地震も
人間が作り出している
のだろうか
地球温暖化はその一つ



. 自然に振舞える社会
嬉しいときには
笑い
悲しいときには
泣く
自然なことではないか

それをごまかすのは
不自然というではないか
何故
そんなことするのか

自己抑圧は
よろしくないのだと
医者も
教えているではないか

でも
自分を抑えなければ
生きてゆけない
それも事実なのだ

自然に振舞える社会を
築くために
何をすればいいか

一定のモラールを
共有することが
最小条件だろうね


  
   地球の終末
夢中に駆けているのは

その宇宙のなかで
何が起こっているのだろう
作品名:夢風船(詩集) 作家名:佐武寛