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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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忘れじの夕映え 探偵奇談8

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忘れられていくたくさんのこと。いつか、こんな時間のことも忘れてしまうかもしれないけれど。
だけどこの旋律をどこかで聞けば、郁はきっと懐かしくなると思う。それがどうしてかは、もしかしたら思い出せないかもしれないけれど。

(忘れたくないな)

目を開けて、ピアノに向かう瑞を見つめる。

いつまで覚えてられるかな。いつまで覚えていてくれるかな。
ずっとずっと、好きでいられたらいいのにな。

そんなことを考えると、なんだか泣けて来てしまって、郁はこっそり鼻をすすった。

消え入るようにピアノの戦慄が消えていく。

「…ありがとう」

青葉は瑞らにそう言って、少し寂しそうに笑うのだった。




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