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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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忘れじの夕映え 探偵奇談8

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……

「…あれ?」


郁は空を仰ぐ。

「どうした、一之瀬」
「なにか、聴こえる…」

風の音にのって、何か、高い音。音は高さを変えて、まるでメロディのように。

「…リコーダー?」

耳を澄ませる。消えそうなメロディ。

「俺には聞こえない」
「あたしも…」

瑞と青葉が戸惑ったように呟く。しかし郁の耳には、途切れがちだが確実に、その響きが届いていた。

そして。


――忘れて


耳元で、男の子の囁き。それを聞いた瞬間、郁は意識がふわっと遠ざかるのを感じた。



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