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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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忘れじの夕映え 探偵奇談8

INDEX|24ページ/43ページ|

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知っている。こいつは、知っているんだ。

こいつも、自分の転生に関わっている人間なのか?

「…おまえは一体誰だ?」

真正面から見つめる瞳の中に、瑞自身の姿が映り込んでいる。笑みを浮かべたままの颯馬と対峙し、瑞は得体のしれない恐怖に包まれる。心の底どころか、自分の知らない心の領域までも見透かされているような、根源的な恐怖。

「おい瑞!」
「あ…!」

誰かが叫ぶのが聞こえたときには、目の前の颯馬は二塁に向かって風のように駆けだしていた。

「天谷ナイス盗塁!さすが陸上部!」
「イエーイ!ホームまで帰るから打ってねー!」

二塁ベースの上で、颯馬が笑顔を見せている。

盗塁されたことよりも、先ほどの言葉がショッキングで、瑞は棒立ちのまま動くことができなかった。




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