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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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黒闇抱いて夜をゆく 後編 探偵奇談7

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それに、と颯馬は続ける。

「瑞くんとの因縁も」

「………え?」

「いまはまだ知ると気じゃないみたい。でもちゃんと知る日が来るよ」

視線がそらせない。戯言だと笑い飛ばせない。真実を言っていると信じさせる何かが、この男のどこに存在しているというのか。

「その日が、今世か来世かもっと後かは、瑞くん次第みたいだけど」

なんだって?伊吹は反応できない。そのキーワードは、伊吹と瑞を結ぶもので、かつ溝である。どうしてこいつがそんなことを?

「神末先輩、電話なってますよ」

指摘され、初めて着信音に気づく。動揺しているのか、スマホを鞄から取り出すのに手間取ってしまった。それを見ながら、嬉しそうに笑っている颯馬を、伊吹は初めて警戒した。こいつは一体何なのだろう。瑞が話したとは考えられない…。

『先輩、いまどこ』
「どこって…颯馬のクラスだ」
『先輩、いみご様がそっち行ったかも。気を付けて。すぐ教室から逃げて下さい』
「は?」
『…か …ら  す…ぐ、出…っ  …』

ジジ…

「なんだって?須丸?」

ジジジ、とノイズが走り、瑞の声が遠くなる。と、通話が切れ、スマホの電源が勝手に落ちた。操作しても、電源が入らない。壊れた?