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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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黒闇抱いて夜をゆく 後編 探偵奇談7

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「ねえ。いーこと教えたげよっか?」

颯馬は笑みを浮かべたまま、男子生徒にそう話しかけた。

「ひとを呪わば穴二つ。あんたさあ、自分の分の墓穴、ちゃんと掘ってあんの?ん?」

もしかして、こいつが…?
男子生徒はうつむいてがたがた震えている。何も答えない。

「はーもう。言いたいことあるなら、呪わないで面と向かって言えばいいのに」

そう言って笑ったかと思うと。

ダンッ!!!

颯馬は足を振り上げると、男子生徒の顔のすぐ横の壁に、上靴のの底をめり込ませる。ものすごい迫力だった。鼻が触れようかという至近距離まで顔を近づけた颯馬の目が、ぎょろりと剥かれる。顔にはいつもの笑みが張り付いているが、その目には殺意にも似た凶器のような鋭さが宿っていた。

「せーぜー気を付ければ?これからあんたに起きる小さな怪我も、些細な不幸も、全部全部呪い返しだからさ。死ぬまでずっと」

いこ、と颯馬はもう興味を失くしたように、瑞を促して教室を出た。廊下を歩きながら、機嫌よく鼻歌を歌う颯馬を瑞は追う。

「はー、いらん労力使った」
「…おまえって怒らせると怖いのな。犯人には興味ないとか言ってたくせに」
「食堂いこー」
「はいはい」

付き合うか。