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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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黒闇抱いて夜をゆく 前編 探偵奇談7

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放課後。

『祠探しをするので部活が終わったら11組に集合です(*´ω`)颯馬』

気の抜けたメッセージが入り、伊吹はため息をつく。昨日に続き、夜の学校をうろつくはめになりそうだ。夜の学校に侵入するという、ルールに背く後ろめたい気持ちと、いたずら心というのか、不謹慎ながら少しわくわくする思いが沸き上がる。

「おーい伊吹、主将会議~」
「今行く」

今日は会議があるから、部活は瑞に任せてきた。夕日のオレンジにじわじわと侵食される廊下を歩きながら、その毒々しい色に目を眇める。この学校で、密やかに行われている呪いの儀式。犯人は、どういう気持ちでいるのだろう。颯馬は犯人には興味がないと言い放ったが、伊吹は逆だ。負の感情に支配された人間は、どういう心持ちでいるのだろう。共感したり、想像すれば、他者の痛みにたやすく気づけるはずなのに。

生徒会室には、運動部、文化部の各主将、部長が集まり、四角につなげられた机に座っている。月に一度の会議では、予算のことや学校側からの注意、練習場所の割り当てなどが話し合われる。

「おー弓道部だ、なんか久しぶり」
「なんだよ陸上部。秋なのに真っ黒だな」
「夏の紫外線はんぱなかったわ。でも弓道部のランニング量もはんぱないよな」
「今度一緒に走るか?」

偶然隣り合った陸上部の主将と久しぶりに顔を合わせ、会議が始まるまで雑談をする。二年生主体の新体制の部活動がスタートし、まだどの部も手探り状態である。主将同士でそのへんの不安を愚痴り合ったりする。

「そういや陸上部に特進クラスの一年いるだろ?」

颯馬は短距離選手だと言っていたことを思い出した。

「あー、もしや天谷か。弓道部に何か無礼な振る舞いを…」
「や、ちょっと最近話す機会あったから、変わったやつだなと思って」