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覇王伝__蒼剣の舞い4 【第一部完】

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             ※※※※※
 薄暗い廊下に、靴音が響く。
 金の髪とマントを翻し、その腰には白銀の剣。
 「ぐっ…」
 思わず漏れる呻き。
 『…オ前ハ誰ダ?…何者ダ?』
 「黙れ…」
 『…オ前ハ___何ダ?』
 「吾は…、心宿だ」
 心臓を鷲掴みされるような激痛に耐えながら、心宿は息を継ぐ。
 そんな彼の前に、男が立った。
 「___心宿」
 「白将軍」
 「フフ、違うよ」
 須黒は、いつもの彼らしからぬ笑みを浮かべていた。
 そんな彼から伸びる、無数の長い管。
 「__なるほど、化け物に喰われましたか」
 「黙れッ…!」
 「ふん」
 向かってくる管を、心宿は剣で切り落とした。
 「ぐぁっ…!」
 「喰われた身で、このドラゴン七星の心宿に、敵うと思うな」
 「心宿ーーーーー!!」
 背を向けた心宿に、須黒の必死の攻撃が仕掛けられる。
 その姿はもう、人の姿をしてはいなかった。
 心宿の片手が、右から左へ払われる。
 「ナ…ゼ…、白王…サマ…」
 未だ終われない。四国最強の剣士と、認めさせるのだ。白王の元で。
 ____お前いつか、身を滅ぼすぜ。
 七年前そういった男がいる。
 「蒼…王…」
 もう一度彼と剣を。
 須黒の意識は、二度と目覚める事はなかった。恐らく彼は、自分の身に起きた事を理解していなかっただろう。
 「ふふ、惜しいねぇ。須黒はいい腕だったのに。そんなにお腹が空いていたのかい?」 赤い石の前で、聖連がクククと嗤っていた。
 白碧は、不気味な気配が覆うとしていた。