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覇王伝__蒼剣の舞い4 【第一部完】

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 三百年前、天から下ったドラゴンは人として転生した。四国を築き、民を導き、覇王として繰り返し四国を護り平和なる世をいつまでも。
 だが、人はそんなドラゴンの想いと別の方向を向いてしまう。
 嫉妬、憎悪、欲望___暴走を始めた人の感情は、覇王の力を求めて争いついに壊れた。覇王家の陰謀と崩壊が、ドラゴンの躯をバラバラにした。
 蒼剣と云う覇王の剣は、今も目覚めぬまま。
 ドラゴンの意思を宿しながら、今も失われた躯を探しているのだ。使命を果たすべく。 覇王の力___それこそ、ドラゴンの遺産。
 白王や黒王にとっては、覇王となる絶対の力である。
 故に、躯であるドラゴン七星を手に入れようとする。ドラゴン七星が揃う時、ドラゴンは目覚める。
 「うーん…それとセイちゃんの関係は?」
 「焔、ドラゴンは目覚めつつある。清雅さまの中で」
 「星宿さま、それは___」
 「このまま行くと、俺は消滅するって事さ」
 「清雅さま」
 さらりと云ってのける清雅に、振り向く皆の顔は青い。
 「恐らく覇王家で、ドラゴンの躯をバラバラにしたのはあいつだ」
 「白王・聖連さまですか?」
 「高い異能をもつあいつなら、簡単だ。そうだろ?狼靖」
 「…はい。吾も聖連さまだと思っておりました」
 「じゃなに、七年前から始まっていたって事?」
 「でも何故、バラバラに…」
 「考えられるのは____」
 狼靖は、清雅と目が合った。考えている事は、恐らく同じ。
 聖連が、蒼剣が本来の主しか目覚めない事を知っていたと云う事。そして彼は再び、ドラゴン七星を集めようとしている。
 しかし、目覚めるドラゴンは全く別のもの。
 「父上、それはどういう事ですか?」
 「拓海、あいつの元には心宿がいる。しかも完全に俺たちの敵としてな。七星がそいつと一緒になれば間違いなく、ドラゴンは聖連につく。三百年前の記憶など無くしてな」
 「清雅さまは、ドラゴンの転生ではありませんか。まさか…」
 「ドラゴンは躯を欲しがってる。それが例え、邪気に満ちててもな。蒼剣を目覚めさせない以上、俺の中のこいつは珠が揃った時に飛び出す。俺の人格などぶっ飛ばしてな」