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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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あの日と同じに雨が降る 探偵奇談6

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(だって、ただの業務連絡じゃないんだよなあ…)

たとえば、伊吹が部活に出られない日、その日の練習メニューを伝えられるとき。お前を信頼してるから任せる、という気持ちが伝わってきて嬉しくなるのだ。面倒かもしれないけれど、メールよりよほどいい。

「一年の団体戦のほうは、試合経験者とそうでない者と三人で組んで…」

校外試合のチーム編成についての提案だった。伊吹が一年のレベルアップを考慮していることが伝わってくる編成だった。瑞の意見にも配慮をしてくれていることに、信頼を感じる。自分が頑張ったぶんだけ、その姿を認めてもらえる。こういったことが少しずつ積み重なって、瑞の自信になっていくのだ。嬉しいと思う。副将になって仕事が増えて、面倒なことも正直多いけれど、頼られたり、自分の思いを大切に扱ってもらえるということはこんなにも心地よいのだ。

「おい、聞いてるか」
「はい!聞いてます!」

…しまった。にやけていただろうか。

「あれさ、なんか心当たりある?」

話が変わった。

「あれって?」
「最近、学校で起きてる変なこと。須丸なら、なにかわかってるんじゃないのか?」
「ああ、閉じるだの開くだのっていう…?」
「それ。うちのクラスもあってさ。開いた扉の隙間に青白い手のようなものが見えただの、誰かが覗いていただの、怪談話みたいになってるんだ」

瑞には別段、危機感のようなものはないのだが。相変わらずここは護られていると感じるし、先だっての生霊事件のような悪意や気配を感じることもない。