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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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あの日と同じに雨が降る 探偵奇談6

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「一時間後に、山頂の天狗鳥居に集合だ。一応授業だから、帰ったらレポートありだ。コース外れないようにだけ気をつけろよー。あと物を壊すな、ゴミを捨てるなー」
「はーい」

教師の先導で登山が始まった。生徒たちはおのおののペースで歩き出す。

平日だが、結構ひとが多い。仲良さげな老夫婦、ランニングウェアに身を包んだ若者、メモを取りながら歩く団体もいる。散歩に来ている近所の保育園児が、木の実を拾いながら歩いているのも微笑ましかった。

(気持ちがいいなあ)

さわさわと風が吹き、まだ色づかない木の葉を揺らす。鳥の鳴き声。

「おはようございまーす」
「お地蔵様。いってきます」

園児らが登山口にある小さな地蔵に向かって、その小さな手を合わせている。粗末で小さな小屋の中のお地蔵様のそばには、花や木の身がそなえられていた。近所のひとか登山者がやっているのだろう。

(ここは、信仰が生きているんだな…)

そう思う。神様の存在を信じ、敬い、祈り、その恩恵を受けて生きているのだということを人々が理解している。そういう場所なのだ。そのせいだろうか、護られているような包まれているような安心感がある。

「なー須丸って一之瀬と付き合ってんの?」
「はー?」
「だって仲良しじゃん」