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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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あの日と同じに雨が降る 探偵奇談6

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信仰の山



秋晴れの空が広がっている。まだ少し汗ばむくらいの陽気のもと、裏山の登山口に揃いのジャージを着た生徒たちが集合していた。歴史の授業とはいえ、気分はピクニックだ。この沓薙山には、町の発展とは切り離せない神様や信仰のあとがまだ残っているのだという。

「なー見て!駄菓子屋で買い込んだ!」
「あ、いいな!あとで交換して!」

クラスメイトが大量に買い込んできたおやつを見ると、瑞もなんだかわくわくしてきた。山の裏側に海が見えると聞きますますテンションがあがる生徒たち。

(あ、一之瀬)

向こうで女子とはしゃぐ郁の背中が見えた。ここのところ、なんとなく元気のない彼女が、瑞は少し気になっていた。部活中も注意散漫というか、試合デビューを控えているのにと心配だった。いまは部のことで頭がいっぱいだが、部員一人ひとりの様子にも気を配れるようになりたいと瑞は思っていた。特に試合経験のない部員の中には、不安を感じている者もいるのだ。郁のように。

「一之瀬」
「ぎゃあ!!」
「な、なんだよ…」

肩を叩いただけなのに、悲鳴をあげられてしまった。振り返った郁が目を逸らして、何か用と呟く。

「用ってわけじゃないけど」

なんか最近元気ないから声をかけただけなんだけど。試合前でナーバスになっているのだろうか?瑞はリュックからお菓子を出して手渡した。

「これあげる」
「え?こんにゃくゼリー?」
「まあ元気出せ」
「あ、ありがと…?」

よくわからない表情をされたが、いいか。