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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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歪んだたより 探偵奇談4

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「何か…身に覚えとかないですか?んー、例えば、身近で亡くなったひとがいるとか」
「ないなあ」
「心霊スポットに行ったとか」
「ないねえ」
「うーん」

幽霊にまとわりつかれる理由はなさそうだ。

「女の人を見たのは、そのときくらいですか?」

深夜の勉強中に遭遇したというが…。

「ああいるなって感じたことは何度もあるの。トイレあけたとき、一瞬立ってる人を見たり、ベランダに影が映ってたり…。はっきり見た、っていうのはあんまりないけど、気配を感じることは多いかな」

今はどうですか、と続けて聴こうとして、郁は言葉を飲み込む。怜奈の瞳が見開かれ、表情がこわばったからだ。

「怜奈さん?」
「…いるわ」

見開かれた怜奈の瞳は、郁の背後の、キッチンへ通じる扉に注がれている。え、いるの?と郁もまた凍り付く。恐ろしくて振り返れない。

ガンッ!!

「!!」

まさかやっぱり、誰かが侵入してきたとでも言うのだろうか。大きな音がした。郁はキッチンへの扉を開けた。

「誰!?」