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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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歪んだたより 探偵奇談4

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…誰もいない。しかし異変はすぐに目に入った。

「なにこれ…」

キッチンとバスルームの間の廊下に、さきほどまでなかったものが。

「ひっ…!」

郁の後ろからそれを確認した怜奈が悲鳴を飲み込んだ。

廊下の床に、包丁が突き刺さっている。垂直に。

さっきまで、こんなものはなかった。郁は急いで玄関を確認する。鍵もチェーンもかかっている。ここからは誰も入っていないし、外部から侵入できるもうひとつのベランダには、郁らがいた。間違いない。侵入者などいない。この現象は、すべて室内にいる何者かの仕業なのだ。

(…こんなの、いつか怜奈さんに危害が及ぶよ。だめだ、ここにいさせちゃ)

霊感のない郁でも、危機感を持った。

「でましょう、すぐに」

郁は怜奈の手を引いて、玄関まで引っ張る。

「…!!」

しかし怜奈は、突然床に座り込んでしまった。

「いたいっ…!」
「ど、どうしたんですか?」

右足首らへんを抑えている怜奈。