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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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歪んだたより 探偵奇談4

INDEX|38ページ/40ページ|

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「女の敵は女」

瑞がそんなことを言いながらゆがけを付ける。弓道場には、伊吹と瑞と郁の三人だけだ。

「怜奈さん…落ち込んでましたね…あたしちょっと心配です」
「そうだな」

親友と決別した彼女は、改めて伊吹らに礼を言った。しかし相当堪えたようだった。伊吹は郁同様に、彼女が心配だった。自分で立ち直るしかないだろうが…それでも、誰かに恨まれ憎まれていたというのはきつい。誰だって、他人には好かれたいだろう。

(依頼を受けたとき、須丸は怜奈さんに言ってた。どんな結果になっても後悔しないで下さいって)

瑞は、こうなることがわかっていたのか。射場に一人立つ瑞の背中を見つめる。もう余計なものはすべてそぎ落としたいとでも言うように、的にだけ集中している背中だった。

「なんだか…後味悪くて、落ち込みますね」
「一之瀬が落ち込むことないよ。おまえは怜奈さんを助けたんだから」
「そう、ですかね…」

優しい彼女が責任を感じているようで、伊吹は胸が痛む。

「あたしも的前行きます」
「うん」

もやもやしたものを振り払いたくて、郁もまた弓を手にする。頑張れ、と心の中で伊吹はエールを送る。

「今日調子悪いです」

郁と入れ替わりに、瑞が出てくる。的中率は悪いようで、不満そうだ。