歪んだたより 探偵奇談4
「そんなの…関係ない、あたしは一度だって」
「そういう何も気づかないところも大嫌いだった!誰にでもいい顔して気を遣って!あんたといるとみじめになる!だから…!」
がくりと項垂れた悠里が、くちびるを噛みしめているのがわかった。
怜奈は、自分の目から涙が零れていることに気づく。
自分の何かが彼女を歪ませてしまったのだろうか。
可愛くて優しかった親友を、歪ませてしまった何かが、自分にはあったのだ。
それが悲しくて、そして悔しい。とても。
「このままじゃ…悠里ちゃんが死んでしまうから…言うね」
静かに、決別の言葉を投げた。
「もう、友だちじゃない。二度と合わないし…連絡もしない」
さようなら。
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作品名:歪んだたより 探偵奇談4 作家名:ひなた眞白