歪んだたより 探偵奇談4
「答えて。いたずら電話、犯人は悠里ちゃんなの?」
なぜ…。
「黙ってるてことはそうなんだね?」
なんで自分が、こんなやつに責められているんだろう。悠里は苛立つ。怜奈のくせに、説教でもしようっていうの?むかつく、あんたはあたしより格下なんだから、黙って怖がってりゃいいのよ。
「生霊は、首を伸ばして憎い相手や恋しい相手のところへ通ってくる」
男子生徒が再び口を開いた。
「首、痛いでしょ。本人も無意識のうちにやってるから、早く止めないと本当に首がちぎれちゃうよ」
悠里は無意識に、首に手をやった。最近、ひどく痛むときがあるのは事実だ。なぜそれを、この男は知っているのだろう。
「妬んで嫉んでばっかりじゃ、不幸になるのはあんただよ」
…そんな目でみないで。憐れむような、目で!
「あとは怜奈さん、お好きにどうぞ。行こう、一之瀬」
「う、うん…」
二人は行ってしまった。残された怜奈は、悲しそうな瞳をこちらに向けている。そして一言ぽつりと零した。
「悠里だったのね…」
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作品名:歪んだたより 探偵奇談4 作家名:ひなた眞白