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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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歪んだたより 探偵奇談4

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藤川怜奈が一息つく。
朝の弓道場の更衣室で、須丸瑞(すまるみず)、一之瀬郁(いちのせいく)、神末伊吹(こうずえいぶき)は、突然やってきたこの女子生徒の奇妙な体験を聴いている。

三年生の彼女は、幽霊が見える生徒がいるという噂を聞き、瑞に相談にやってきたのだ。確かに彼は、この世のものではない、生きていないものを視ることができるのを、郁は知っている。これまでに数度、瑞がそういったものたちが引き起こす「障り」を解決する姿を見ているのだ。

「それからも、おかしなことが続いたんですか?」

瑞が口を開かないから、郁が先を促す。一人暮らしの家で、おかしなことが起こると訴える怜奈は、ふざけている様子も、面白半分な様子もない。心底困っているのだということが伝わる程度には、憔悴しているのだ。郁は、どうしても親身になってしまう。女の子だし、一人暮らしでおかしなことが続けば、不安にもなるだろう。

「そうなの。夜中に勝手にテレビがついたり、小物の位置が変わっていたり。いたずら電話もかかってくる。ずっと無言なの」

それって人間の仕業じゃないですか、と伊吹が口を開いた。

「やっぱりだれか侵入してるとしか…警察に言うべきだと思うけど」
「気持ち悪いなあ。ストーカー男とかっぽいですよねえ」

郁から見た怜奈は、栗色のストレートヘアも、綺麗にあげられたまつげも、大きな目も魅力的だ。ストーカーの仕業、と言われれば納得できる美女である。

「防犯カメラにもそんな形跡はないし…管理人さんもそれはないだろうって」
「うう~ん」
「それに、女なの」
「え?」
「あの部屋にいるのは、女なの」

怜奈は肩を抱くようにして再び話し始めた。