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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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歪んだたより 探偵奇談4

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照らされたベッドの下には、女が横たわっていた。
長い髪を振り乱しており、顔は土気色。郁と目が合うと、ニタアと笑った。

(なにこれ…)

その女は異様だった。だって。首が。
ゴムのようにぐにゃぐにゃと、首が伸びているのだ。それがホースのように絡まって、くたりと床に頬をくっつけている。それがずりずりと這いまわり、時折頭を持ち上げてベッドの底にぶつけているのだった。

悲鳴を上げようと喉が震えた瞬間、瑞の言葉が雷のように郁の意識を打った。

『もしも訪問者がやってきたら、怒ってやれ。ひとんちで何してんだって。直接危害は加えられないから、大丈夫』

「あんた誰よ!ひとんちで勝手なことしてんじゃないよ!!警察呼ぶよッ!!」

郁は声の限り怒鳴った。腹が立った。こんなばかげたこと、怜奈に対する嫌がらせとしか思えない。女はふうっと煙のように消えた。郁は、消える直前の、驚いたような女の顔をはっきりと、見た。

「一之瀬さん!」
「怜奈さん、大丈夫。もう、いないよ」
「ごめんねえ…もういや、なんなの…」
「泣かないで。もう大丈夫だから」

しくしくと泣き出す怜奈の背中をさすりながら、郁は瑞の電話番号を呼び出した。指先が震えていて、今頃恐怖がやってきたことを悟る。怖かった。首の伸びた女の化け物。

(なにあれ、あの首…)

顔はみた。これからどうしたらいいのか聞かなくては。



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