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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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歪んだたより 探偵奇談4

INDEX|25ページ/40ページ|

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眠りはすぐそこだ。もうすぐ温かい泥の中に身を沈めるような眠りに落ちるのだ…。郁の意識が薄らいでいく。



ゴツ、



「…!」

浅い眠りは唐突に破られる。音と、軽い振動。郁は瞬時に覚醒し、身体を起こして備える。

ゴツ、

ゴツ、

硬い音が、今度は二回連続で。そしてベッドが、音に合わせてわずかに揺れている。

「…ん、なに…?地震…?」

怜奈も目を覚ます。

ゴツ、
ゴツ、ゴツ、

音の感覚が狭くなり、郁は悟る。この振動は、ベッドの下からだ。ベッドの下で、何かが底板にぶつかっている。

「い、一之瀬さん…!」
「落ち着いて、大丈夫。あたしがいますから」

ゴツ、

急かすように叩いているかのようだ。これが瑞の言っていた訪問者?

(ベッドの下に…いるの!?)

逃げ出せない。降りた瞬間、ベッドの下の何者かに捕まる。そんな想像をかきたてられ恐怖に固まるが、怖がってはいけない。瑞の言葉を思い出す。
郁はサイドボードの照明を掴むと、そっと動く。

「一之瀬さん!」
「大丈夫、あたしが見ますから。ちょっと覗くだけ」

郁のパジャマを掴み、怜奈が不安そうにうなずく。
郁は照明を持ち、がばっとベッドの下を覗き込む。照明をベッドの下に差し込むようにして照らした。