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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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歪んだたより 探偵奇談4

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『いいか一之瀬。何がおきても冷静でいるんだ。怖がったり逃げたりしたら悪化すると思う。どっちかというと、知らんぷり。おまえなんか怖くないっていう態度くらいでいい』

瑞のこのアドバイスを実践した結果、郁は怜奈を安心させることができたようだった。怪異への効果としてはどうなのかはともかく。

『それから、夜中か明け方かはわからんが、本体が現れる可能性がある。ちょっと普通じゃない訪ね方をしてくる者がいるかもしれない。おまえはその訪問者の顔を、よく見ておくんだ』

その訪問者は間違いなく、怜奈さんに近しい人間だ――

(須丸くん、人間って言った…幽霊、じゃなくて)

そこがどうもひっかかる。やっぱりストーカーの仕業なのか?

とはいえ、いつそれが現れるかがわからない。お気楽な郁とはいえ、やっぱり他人の家に泊まるのは気を遣うし、状況も状況だから気持ちが疲れていた。

(ちょっと眠らせてもらお…)

ベッドに戻り目を閉じた。柔らかなマットレスに全身を預けると、眠気はすぐにやってくる。身体は疲れていたようだ。
眠ろうと決めてしまえば正直なもので、郁はどっと全身から力が抜けていくのがわかった。

(須丸くんたち…眠ったかなあ…)

眠らずに待機してくれているのだろうか。そう思うと、眠ってしまうのはちょっと気が引ける。

(そういえば須丸くん、もう一個なんか言ってた…ええと、もしも真夜中に非常識な訪ね方をしてくるやつに出くわしたら…ええと、)