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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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きっとすべてうまくいく 探偵奇談3.5

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今日は結局稽古にならず、引退が決まった先輩たちと語り、盛大に見送って終わった。明日から一週間はお盆期間となり練習はなくなる。自主練習はできるが、新体制の弓道部がスタートするのは来週からだ。それまでに、自分の気持ちは固まるだろうかと瑞は思う。副主将に任命されたが、正直柄ではないと思う。自分でいいのか、という迷いが渦巻いていた。

「あれー?郁~?」
「どこいったのかな」

モップをかけながら一年生が話している。

「どうしたの」
「須丸くん、郁知らない?」
「見てないけど」

そろそろ下校時刻だ。瑞は草履をひっかけて弓道場を出た。たぶん泣いてるんだろうなあと思いつつ、やはり心配だから様子を見に行くことにする。

「大丈夫か」

弓道場の裏の芝生に郁はいた。膝を抱えて、ボーッとしている。目が赤い。

「あ、須丸くん…」
「もうすぐ鍵しめるぞ」

憧れの主将の引退が寂しいのだろう。魂が抜けたようになっている。さすがにこれは心配だった。瑞は隣に腰掛ける。

「また来るよ先輩たち。言ってただろ」
「そうだけど…あたしも、先輩たちと一緒に試合に出たかったよ…結局一回も、チーム組んで試合に出られなかったから、それがめっちゃ悔しい」

そうだったのか。瑞は試合に出る側だったから、そういうことを意識したことはなかった。しかし控えの部員たちには、彼らなりの悩みや悔しさがあるのだ。