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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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きっとすべてうまくいく 探偵奇談3.5

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キシッ…


微かな音に、幼い瑞は凍り付く。

何かが縁側を歩く音。そっと覗き込むが何もいない。すると背後で畳がギシリと鳴る。目には見えない何かが、こちらの様子を伺っているような不気味さ。胸がざわざわする。見張られているような不快感。

それらを振り払うように玄関に向かう。誰もいない家から出なくちゃと、幼い瑞は思う。

「あれっ?」

玄関には、学生服を着た青年が立っている。少し困ったように笑っている。やわらかな、頼りない雰囲気をまとっていた。

誰だろう、と思った瞬間、これは先輩だ、と頭の中の自身が認識する。先輩ってなんだ?誰だ?自分で自分の思考を疑問に思ったところで、青年の姿が消えてしまった。なんだったのだろう。

「ばあちゃん!」

不安になって、声に出して祖母を呼んだとき。瑞、と背後から声をかけられた。祖母だった。優しく微笑んでいる祖母を見て、幼い瑞は心底安堵する。

「ばあちゃん!」
「あらあら。どうしたの?ばあちゃんいなくて怖かったの?」
「知らないひとが、家の中にいたんだよ」

どんなひと、と優しく尋ねる祖母。

「見たことないお兄さんだった」

あれは誰だったのだろう。祖母か祖父を訪ねてきたお客さんだろうか。だけど瑞には、彼が自分を訪ねてきたのだという、妙に確信的な思いを抱いている。それを祖母に告げると祖母は笑って瑞の髪をなでるのだった。

「それはおまえと御縁のある方かもしれないね」
「ゴエンってなに?」
「ひとと、ひとを繋ぐ、目には見えない糸のようなもの。おまえがばあちゃんの孫であることも、御縁。その糸でつながっていたのね。生まれる前から」

糸?思わず自分の手のひらを見つめる瑞を、祖母は優しく笑う。その糸は見えないのよ、と。