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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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きっとすべてうまくいく 探偵奇談3.5

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きっとすべて




夏の終わりが徐々に近づいているのを感じる。一日の始まりにも、それが色濃く浮かび上がっているのが、伊吹にはわかった。少しだけ変わった風の匂いだとか、虫の鳴き声だとか。
今日から部活も補講も一週間の盆休みに入る。だが伊吹はいつもと同じ時間に弓道場へとやってきた。

早朝だし誰もいないと思っていたが、先客があった。赤いスニーカーが玄関にある。瑞だろう。行射中と思い静かに中に入ると、胴着姿で座り込み、射場の隅に座り込んでいた。耳にイヤホンを突っ込んでいるから、音楽でも聴いているのだろう。

脅かしてやろうかと静かに歩いていたが、敏感に気配を察したのか、彼は顔を上げて振り返った。

「おはようございます」
「おはよ。何聴いてるんだ」
「一之瀬に借りたiPod。俺のと交換してるんですよ、いま」

笑いながら瑞が立ち上がる。

「あいついま元気なくしてるから、俺の集中用プレイリスト貸し出し中なんです」

そういえば昨日、他の部員に混じって泣いている郁を見た。

「俺もあるな、集中用プレイリスト」
「えっ聴きたい!」
「…ヤダ」
「さてはなんかヤラシーの入れてるんでしょ!」
「入れてねえわ!」

いつも通り盛大に突っ込んでから、伊吹は座りなおす。こんなこと話に来たんじゃない。