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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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刹那にゆく季節 探偵奇談3

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「後悔しないようにしなきゃ。明日もまた同じように、こんなふうに会えるかどうか、保証なんかないんだから」

そう言い放つ瑞の声には、いつもの調子が戻っていた。ポケットからスマホを取り出して操作する。

「占いって鵜呑みにするんじゃなくて、これをきっかけに、未来の自分の行動を予測するんだって。一歩踏み出したり、慎重になったり。一之瀬が言ってたんですけど一理あるなあ。伊吹先輩の星座と血液型は?」

占うのか?

「…天秤座の、Aだけど」

絶対Aだと思ってた、と瑞がなぜか嬉しそうに笑った。

「あったよ。ええとね…周囲の環境や人間関係、出会いと別れ。あなたを取り巻く多くが揺れ動くとき。つまづいたり、悲しいことがあるかもしれません」

つまづいたり、悲しいことが…。
瑞は続ける。

「そんなときこそ自分の気持ちに素直になって。あなたが望むことをすれば、運命はあなたにとって正しい方向に動くでしょう、だって。参考になった?」
「…なるか、そんな抽象的なもん」

運命、という言葉は重く感じられる。正しい運命というのはどういうのを言うのだろうか。傷つかない、平和な日々を指すのだろうか。受け入れがたい悲しさが、正しいということもありうると思う。

そう疑問を口にすると、瑞が笑った。A型っぽい、とわけのわからんことを言う。