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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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刹那にゆく季節 探偵奇談3

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ミルクティー色の髪を、珍しくぐしゃっとおでこに上げている。暑いのだろう。

「そんなん信じてんの?」
「信じるとか、そういうのもあるけど、こういうの見て『今月ツイてるな?よし勇気だして告白してみよっかな!』みたいに踏み出す切っ掛けにしたりするの」
「ふーん、じゃあ俺も見てよ」
「いいよ、須丸くんの星座と血液型は?」
「射手座のAB」

画面をスクロールさせ、該当するところを読み上げてやる。

「えっとねえ…大きな転換期を迎えようとしています。今後の人生を左右するできごとやヒトに出会う暗示あり。自分の底力が試されそう!身近なヒトが力を貸してくれるかも!…だって」
「…今後の人生左右するとか怖いんだけど」
「占いばかにするからだよ~」

信じてないからいい、と言い、彼は持っていたプリントを一枚郁に差し出した。

「ん。合宿のお知らせもらってきた」
「ありがとー。もう明後日からだね」
「あとは三組のやつらに配ってくる」
「はーい」

一年生の弓道部員は十一名。このクラスでは郁と瑞だけだった。瑞は経験者ということもあり、何かと一年生のリーダーに抜擢されることが多く、お知らせ配りもそのうちの一つのようだった。

「なに、弓道部の合宿、わざわざ県外いくの?」

親友の美波がチラシを覗き込んでくる。彼女はバスケ部だが、校庭にある合宿所で行うという。チラシにはスケジュールや持ち物が書かれていた。