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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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刹那にゆく季節 探偵奇談3

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お年頃なので



肝試しも無事(?)終わり、就寝時間が近くなる。男子部屋ではゲームで遊んだり、テレビを見たりと、それぞれが思い思いに過ごしている。寝るのが惜しい。こんなふうに友だちとわいわい騒ぐ夜って珍しいのだ。伊吹は数人で集まってトランプを囲んでいる。この古き良き遊びが、やってみるとなかなか白熱する。

「彼女いるやつはここでちゃんと俺らに報告するように」

各々自由に過ごしていたが、横暴な三年生のその一言で、恋バナ大会が始まった。

「というわけらしいから、はい全員集合」

心から興味なさそうに欠伸を噛み殺す主将のひと声で、みながちゃぶ台の周りに集合する。毎年この流れだな、と伊吹は苦笑する。恋バナは女子の特権だけではない。男だって、恋して悩んでぐるぐるしているのである。

「須丸はもててるらしいじゃん。三年も結構騒いでるよな」
「はあ…そうなんですか…」

瑞に白羽の矢が立った。居心地悪そうに苦笑しているこの男は、転校してからあっという間に有名人になった。目立つのだ。

いい匂いがする、都会から来たオシャレ男子。背が高くて涼し気な二枚目。言動がスマートで、ついでにちょっと生意気なところがカワイイ。

女子の間ではそんな評判らしいが、伊吹が知るこの後輩のイメージは少し違う。

ばあちゃん子で、ついでにじいちゃん子。クールに見えるけど寂しんぼ。
生きていないものと意思を通じ合わせることができ、ときにはそれらが原因で起こった「不具合」を解消することができる。
生意気は生意気だけど、優しい。年下なのに、自分よりもずいぶん大人に思えるところがある。それは、伊吹たちには見えないものが見えているからなのだろうか。

「どんな女がタイプなん?」
「タイプですか?年上ですね」
「ドキッパリ!」
「即答じゃねーか」