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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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眠りの庭 探偵奇談2

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(すごいなあ)

うまい下手というのは、初心者の郁にはわからないが、背中にも指先にも視線にも、彼の全部に惹きつけられるような射だ。どんな気持ちで的を見据えているのだろう。無心、という言葉がよぎる。

この転校生の知られざる一面を知ったのは、ほんの一か月前。夜を這うひとではないものを見て、聞いて、対話することができる力。最初は都会から来たおしゃれな子というイメージだったが、今ではただ者ではないという気がしている。しかし彼は、その不可思議な力を日常生活ではまったく匂わせない。

「会から離れまで左の肘が下がってる」
「はい」
「あと、残心が長い」
「いやあ、自分の射に惚れ惚れして、つい」
「 残 心 が 長 い 」
「…スミマセン」

瑞の射を確認し、副主将の神末伊吹(こうずえいぶき)がアドバイスをしている。この二年生の副主将もまた、瑞の知られざる一面を知る一人だ。穏やかな雰囲気をまとう先輩もまた、先だって夜の学校で瑞の不可思議な力を垣間見た一人だ。


この学校は、街はずれの山際に建っている。古い土地には不可思議なものが宿り、時折生きているものの領域へと入りこんでくる。瑞は、その不可思議な者と対話し、あるべき場所へと戻すことができるのだ。

(霊能者とかゴーストバスターズっていうより…)

それは小さい子どもを諭す教師のような姿。叱るわけでも、武力に訴えるわけでもなく。

「くぁ」
「欠伸すんな」
「スミマセン、ちょっと寝不足で…」

普段はこういう普通の高校生男子なのだが。



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