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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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眠りの庭 探偵奇談2

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「伊吹先輩!!」
「須丸もいるのか…大騒ぎしなくていいって…」

瑞の知り合いらしい。男子生徒が頭を押さえている。側頭部の辺りから血が出ていた。浅田は人垣をかきわけ、持っていたタオルを押し当て止血をする。

「大丈夫かい、じっとして」
「…石が、跳んできて当たっただけですから…すみません…」

重機が倒れた際の衝撃で石が散らばったのだろう。周囲に小石やがれきの一部が転がっている。

「急に地響きがしてさ!」
「あの重機、誰も乗ってないのに動いたんだって!」
「あんな倒れ方しねえだろふつう!裏返ったんだぜ!」
「やべえって!」

目撃していたらしい生徒らがパニック状態で騒いでいる。泣きわめく声、ショックで茫然自失している生徒、ざわめきが広がっていく。

「…ちょっとみんな冷静に。他に怪我をしている子はいませんか?」

浅田は泣きじゃくる生徒らを必死でなだめた。怪我人がいるのだ。手当をしなければ。

「浅田さん、二年の女の子が倒れちゃったよ!どうしたらいい?」
「そっとして、揺さぶってはいけません。すぐに先生たちを呼びますから。須丸くん、きみの先輩も…」

瑞を振り返って、浅田は見る。瑞が痛いくらいに見開いた目を、中庭のほうへ向けているのを。そして。



「てめえふざけんなよ!!」



瑞が中庭に向かって吠えた。先ほどの穏やかさがウソのような、怒りに満ちた表情だった。先輩だという怪我をした生徒の肩を支えた瑞の手が、ぶるぶると震えている。おそらく、これは狐の仕業だ。瑞は、それに怒っているのだ。生徒たちには見えていない狐に向かって、激昂している。

「須丸うるさい…傷に響く…」
「先輩じっとして。動かないで」

教師らが飛んできて、教室に戻るように指示を出している。騒然となった現場に、浅田は立ち尽くしてそして見た。祠のそばに立ちすくむあの作務衣姿の白髪の少女を。悲しさと怒りがないまぜになった、その表情を。




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