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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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眠りの庭 探偵奇談2

INDEX|18ページ/37ページ|

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「白い髪の女の子を、見かけて」
「祠で?」
「ええ。工事が始まってから、そいつが毎晩毎晩夢に出てくるんです、うるさいからなんとかしろって、怒ってるんですよ。眠れないって」

高校生がこんなところまで来てふざけている様には見えなかった。瑞の表情は真剣だった。

「この土地は古いって聞きました。いろいろ不思議なことが起きる土地だって」

古い土地には、はるか昔からここに眠っている記憶や感情が残ったままなのだ。

「最近校内で、ガラスが割れる事件が続いてて…中庭の工事が原因だと思うんです」

この子にはわかるのか、と浅田は感心する。霊感というのか、聞こえない声を聴き、見えないものを視る力があるのだ。人間の殆どが眠らせているその力が。
真実を知りたいという瑞の目を見つめながら、浅田は口を開いた。

「…あの祠だけは壊さんで下さいと校長先生にお願いしたんです。でも、やっぱり怒っているんですねえ」
「…怒ってる?」
「もう40年以上も前ですね。わたしがこの学校の生徒だった頃から、あの中庭と祠はあるんですよ、木造校舎がコンクリに変わっても、中庭と祠だけは昔のまんま」

懐かしいな、と目を細める。自分にも、高校生という時代があって、目の前の彼らと同じように青春を送ってきた。

「わたしが二年生のときにね、裏山に整備の手が入ったんです。落石や土砂崩れが起きて、危険があるからって」

それは時代の流れでもあった。

「そのときに、裏山のたくさんの動物が死んでしまってね。住処を追われたり、機械に巻き込まれたりして。それで当時の校長先生と生徒らで供養をしたんです。学校の勝手で工事をしたもんだから申し訳ないって」