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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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眠りの庭 探偵奇談2

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昼休み、弓道場周辺の草むしりに駆り出された郁ら弓道部員は、暑さでへとへとになって教室に戻るところだった。

「そういえばさ、須丸くん」

最近校内で起きている例の事件について聞こうと、隣を歩く瑞を見たとき。

「ねえあれってさ、なにしてんの?」

運動場横の花壇に、数名のジャージ姿を見つけ、瑞が見つめている。郁ら同様に草むしりをしているらしい。その中に見知った友だちを見つけ、郁は思い出す。

「あ、生徒会の人たちだよ。よくボランティアとかでね。草むしりとか掃除とかしてくれてるんだって」

暑い中がご苦労様だなと感心する。校内美化運動の一環らしい。草をゴミ袋につめ、そろそろ解散するようだった。

「なあ、あれって先生?」
「ん?いや、わかんないなあ」

瑞が指さしたのは、初老の作業着姿の男性だった。生徒たちから頭をさげられ、笑顔で麦わら帽子をとった。よく日に焼けている。教師ではないようだ。男性はそのまま部室棟に歩いて行った。

「なに?なんか気になるの?」
「や、ここに務めて長い先生とか探してて…」

どういうことだろう。
ゴミ袋を抱えた女子生徒がこちらに向かってくるのを、瑞が呼び止めた。

「ねえ、ちょっといい?」
「は、はいっ、なんでしょう」

生徒会のメンバーらしき彼女は、突然瑞に呼び止められて声が裏返っている。

「生徒会のひとらって、中庭の草むしりもしてるの?」
「工事してるとこのですか?それなら、はい、してました」
「さっきの作業着のひとって誰?」
「え?用務員の浅田さんです。手伝ってくれるんです、いつも」

ああ、用務員さんか、と郁も納得する。切れた蛍光灯を替えたり、破損したドアノブなんかを修復しているのを見たことがあった。