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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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眠りの庭 探偵奇談2

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「伊吹先輩」

名前を呼ばれて振り返ると、夕焼けにそまった瑞の髪が柔らかく風に吹かれているのが見えた。

(あ、)

一瞬何かを思い出しそうになり、だけど感覚は一瞬で霧散して、思考はその速さにおいつけない。

「また、明日」
「うん」

言葉を交わして、互いに背を向けた。
いつかもこうして背中を向けて。

「…」

振り返った時には、もういなくなっていたことが、あったような気がする。
そのまま二度と会えなかったような、気がする。

明日も会える。当たり前だ。

それなのに、どうしてそんなふうに感じるのだろう。泣きそうになる自分が理解できない。伊吹はその場所をしばらく動けなかった。


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