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吉葉ひろし
吉葉ひろし
novelistID. 32011
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路上の詩人

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  明日

少女の病室には千羽の折りヅルが飾られていた
少女はその鶴を見る事は出来ない
車にはね飛ばされたと言う
少女の体はそれ程の傷もない
明日になれば
おはようと言ってくれそうだ
そんないつもの顔で少女は眠っている

少女は窓辺に飾られた花のように
生命維持装置の管が
その命を繋いでいる
それは母親の胎内にいるような光景であった
明日になればきっと
おはようと言ってくれるだろう


多分この詩を読んだのだろうと誠は感じた。

作品名:路上の詩人 作家名:吉葉ひろし