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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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雨闇の声 探偵奇談1

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「一之瀬」
「うん?」

昼休み。弁当を食べ終え、ファッション雑誌を広げながら友人らと談笑していた郁は、瑞に声をかけられた。彼は右手に小さな紙切れを持っている。

「これ、入部届。書いたら二年の副主将のとこ持ってけって顧問に言われたんだけど、誰かわかる?」
「わかるよ。一緒に行こうか?」
「ごめん、助かる」

そろって教室を出て賑やかな廊下を歩く。瑞は小柄な郁よりずいぶん背が高くて、声が頭の上から落ちてくる。昼休みの廊下、生徒たちでごった返す賑やかな場所でも、瑞はやはり目立った。

「うちの主将はすっごい厳しいんだ。でも副主将は優しいんだよ」
「へえ」
「定期テストで赤点取ったら練習にも試合にも出してもらえないから気をつけよ」
「げげ、やばいわ俺」
「あたしも…」

二年生の教室がある三階を目指す。足音をたてないなめらかな歩き方や背筋の美しさが、主将に似ていて尋ねる。

「須丸くんは弓道いつからやってるの?なんか所作がきれいだよね。あたしは初心者なんだけど」
「俺は小学校。四年生んときから」
「すごい。もしかしたら即レギュラー入りとかじゃない?」
「でもここの高校レベル高いって聞いた。俺は試合に出られなくても、弓さえ引ければなんでもいいよ」

謙遜ではなく本心のようだった。興味なさそうにそんなことを言う。