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先輩

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「え? チャイムが鳴ってるってことは……もうそんな時間!?」
「ごめん! 僕がずっと話し込んでしまった所為で!」
「と、とりあえず走りましょう!」
 そう言って私達は裏門へと駆け込んでいった。もちろん通学路の途中にいた時にチャイムが鳴っていたんだから、遅刻決定である。
 しかし、先生だけでなくクラスの皆も私が例の事件に巻き込まれたことを知っていて、遅刻どうこうの問題ではなく、むしろその事件について、一日中クラスメイトから「教えて教えて」と迫られた。
 正直かなり疲れたが、こうやってクラスのみんなに注目されるのも、偶には悪くないかもしれない、と思ってしまった。

作品名:先輩 作家名:みこと