先輩
※
『先輩! 昨日は先輩の秘密を聞かせてもらえたので、今日はリンゴが秘密を暴露します! ……と言っても、リンゴには秘密という秘密はないので、リンゴの友達であり、KLDでもある、ちーこの秘密を暴露します!
ちーこはDクラスなんです。最初はなんでDクラスか分からなくて、なんでって聞いても答えてくれなかったのです。だから行動派なリンゴは、帰りにちーこの後をついていったことがあります。ストーカーみたいなことして先輩に嫌われちゃったらどうしよ……(泣)。それでそれで、たどり着いたちーこの家はというと、怖い怖いお兄さんやオヤジが出入りしている、ヤクザさんのビルだったのです! 先輩も驚きましたか? ちーこちゃんみたいな子が、実はヤクザさんの子供だったなんて……。あまり関係ないんですが、ちーこの持っている虹色ライトパラソルが欲しいです(ワラ)』
――四月●日
あぁ、なんて素敵なのかしら……。
彼の髪色、彼の切れ長の瞳、彼の人形のような素肌。彼はどうしてこんなに素敵なのでしょう。
私は初めて見たときから、彼の虜になってしまいました。
彼ほど美しい人は今まで見たことありません。そんな彼があの時、私の前に現れた。これを運命といわずになんと呼ぶのでしょう?
(後略)
――四月●日
今日は一週間振りに彼と会えました。
胸がバクバクと鳴り、朝から何にも手につきませんでした。
そして今日、私は彼に想いを伝えようと決めました。
正直怖くて仕方ありませんが、有言実行、私は彼に告白します。
どうか、この想いが、彼に届きますように……。
――●月●日
あなたは、私にとって特別な人。他の人とは明らかに違うんです。
あなたから頂いた数少ないメールを見るだけで、あなたの声を一言でも聞くだけで、私は幸せなのです。
このままあなたと高校や大学に進学しても、離れ離れになってしまっても、ずっと一緒にいられたら、私は何も怖くありません。
明日――あなたと二人で会うのが楽しみで、夜も眠れません。
『おはようございます先輩! えっと……今日の放課後に図書館の書庫に行けばいいんですよね?』