慟哭の箱 10
僕は…うーん…。
よくわからない。満点の星空を見て、癒しどころか孤独を思い知る僕には。
清瀬さんは、孤独の中で何かを感じたくて、ひとりぼっちじゃないことを思い知りたくて、空を見あげるのかな。
もう一度会えるのなら、それを聴いてみたい。
あのひと、なんて答えるかな。
思えば慌ただしくて、だけどぽつんと小さな灯が点るような温かな日々だった。
そんな尊い日々を、旭、きみは自分から手放すというんだね。
旭が決めたなら間違いはないと信じてる。
信じているけれど。
僕はもう一度、清瀬さんに会いたいと思う。
孤独と星空の答えを聞いてみたいと思う。
困った顔をして、きっと答えてくれるだろうね。
そしてその答えは、きっとまた僕たちに温かな気持ちをくれるのだと、僕は知っている。
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