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ひなた眞白
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慟哭の箱 9
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「うん、いいんだ」
旭は答える。
「もうここにはいられない」
今度は、俺も一緒だ。旭は一弥にそう告げる。
「清瀬さん、さようなら」
あなたのことを忘れません。この先何があっても、一生。
閉ざされた扉の向こうに背を向けて、旭は歩き出す。
「行こう」
今度こそ、俺は逃げない。
一弥をもう、一人にしない。
「終わらせよう、みんなで」
.
作品名:
慟哭の箱 9
作家名:
ひなた眞白