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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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慟哭の箱 5

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「言われてみりゃ、俺ら旭と直接言葉を交わすことってなかったなあ。俺らの存在を、旭は知らなかったわけだから」

つまりは一方通行だったのだ。

「簡単にでいいんだ。一言だけでも書いてやってくれないかな」
「うんうん。俺こーゆうの好きだな!机借りてい?」
「ご自由に」

鼻歌交じりに机に向かう真尋。

「留守の間、頼むよ」
「んー」

その背中に声をかえ、清瀬はベッドに横たわった。心地よい疲労が身体全体に広がっていく。

「刑事さん、寝ちゃった?」

背を向けたままの真尋の声が聞こえる。

「…いろいろありがとね」

囁くような声にぬくもりを感じ、清瀬は静かに目を閉じた。


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作品名:慟哭の箱 5 作家名:ひなた眞白